独自開発する?いやいや、オープンイノベーションで進めましょう。研究開発3 

研究開発
大学
エンジニア
エンジニア

マネージャさん。先日お話した新製品の開発プロジェクト、私が開発プロジェクトのリーダに選任されました。

マネージャ
マネージャ

そうですか。よかったですね。

エンジニア
エンジニア

しかし、このプロジェクトでは、今まで社内で保有していない技術を新たに開発する必要があります。

しかし、新技術開発(基礎研究・要素技術研究)を行うには、社内のリソースだけでは不十分ではと思って心配しております。

マネージャ
マネージャ

では、社外のリソースをうまく使ってすすめませんか?

エンジニア
エンジニア

え!社外のリソースですか?

マネージャ
マネージャ

はい。

今回は、社外から新技術を導入する方法の一つであるオープンイノベーション、特に大学からの技術導入の流れについてお話したいと思います。

この記事では、大学で保有する新技術をあなたの会社に導入する手段の1つとしてオープンイノベーションの手順についてお話したいと思います。

大学・研究機関の先生(研究者)の調査

あなたの会社にない技術を社外、例えば、大学から導入しようと考えた場合、
 どの大学で、
 どのような先生が
 どのような研究をしているか
ゼロベースで調べる必要がありますね。

月並みな話になりますが、まずはインターネットベースで調べることなりますね。あなたが会社に導入したい技術をキーワードにして研究者を検索してみましょう。

目ぼしい先生がヒットしましたら、先生をリスト化していきましょう。一人の先生に絞り込まずに、先生を選定を選んで、リスト化しましょう。

Paper

次に、これらの先生の所属する学会を調べ、リストに追加するようにしましょう。

大学・研究機関の先生(研究者)の絞り込み

候補となる先生のリストをもとに、先生が執筆された論文・特許を集めて、読み込みましょう。そして、あなたが導入する技術を保有しているか、また、導入する可能性があるかなども調べましょう。

その時に、既に他の企業と共同研究をしている場合には、あなたの会社に技術を導入できない可能性もあります。

ただ、他の企業と研究されていても、競合となる企業でない場合には、先生を通してその他の企業とコラボレーションもできる可能性があります。

候補となる先生が他の企業と共同研究を実施していることを調査する場合には、
 特許の発明者の連名に会社の方が乗っている場合、
 論文の共同著書になっている場合
には、共同研究を実施している可能性が大いにあります。

また、あなたの会社・大学のロケーションの距離も考慮・して選ぶようにした方がいいでしょう。

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アポイントメント・面談・実験室見学 

候補となる先生が決まりましたら先生に連絡を取り(メール等でいいかと思います)、アポイントを取りましょう。そして先生に面談するようにしましょう。

先生との面談の際には、会社の説明と、実施したいことの概要をお話するようにしましょう。この時点では、秘密保持契約も締結していない状況なので、お話できることは限られることをお話した上で、秘密保持契約締結をお願いするようにしましょう

また、先生の面談の際には、許せるのであれば実験室の見学をお願いしてみましょう。大学の研究室の設備、学生さんのレベルも確認しましょう。今後、共同研究ができるかどうか判断する上でも実験室の見学は重要です。

また、訪問する際には、お土産は忘れないように(できれば、アポイントメントの後には会食していろいろ情報収集してみましょう。コロナ禍ではむずかしいかもしれませんが。。。)

秘密保持契約の締結

訪問した先生と、共同研究が可能であると判断できるようであれば、秘密保持契約を締結しましょう。秘密保持契約書は、可能であれば大学のフォーマットを使いましょう。必要事項を記載し、あなたの法務部のチェックを受けて、ドラフトの状態で大学の先生または産学連携の担当者に送付しましょう。そして、大学側の法務部のチェックを受けるようにしましょう。

あなたの会社で秘密保持契約書に手を入れてない場合(修正してない場合)には、大学の法務部のチェックはほとんどないと思いますが、あなたの会社の法務、大学側の法務のチェックを受けたうえで秘密保持契約を締結するようにしましょう。

また、秘密保持契約書の決裁権限規定は、各社毎に異なることがあると思います。決裁権限を確認して捺印をもらうようにしましょう。

技術打合わせ

秘密保持契約が締結できたので、あなたの会社が大学から技術を導入したい内容を具体的に、大学の先生にお話するようにしましょう。

通常、技術導入には共同研究によって技術導入することが一般的です。また、比較的既知の技術であれば技術指導等導入の方法もありますが、この記事では共同研究による方法についてご説明します。

共同研究を実施するために必要な、実行計画書を準備するようにしましょう。そして、大学の先生の役割、あなたの会社の役割を明確にしましょう。また、発生する費用などについて協議を行い、共同研究契約書が締結できるために必要な準備を行いましょう。

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共同研究契約の締結

秘密保持契約書と同様に、あなたの会社と大学側の法務のチェックを受けて、共同研究契約を締結するようにしましょう。

共同研究契約を締結した後、共同研究費を大学に納付するようにしましょう。共同研究費は、大学の先生が共同研究で使う経費と、大学側の産学連携本部が徴収する経費があります。

そのため、共同研究で使う経費+α分を考慮して、あなたの会社の納付金額を準備する必要があり注意してください。

共同研究の実施・定期レビュー(進捗確認)

ここまできてやっと、共同研究がすすめられますね。

ただ、大学だけに共同研究を任せておいてはいけません。大学側では、あなたの会社と同じように共同研究をすすめられるとは限りません。

大学側は、あくまで学会発表や論文発表をすることが目的です。一方、あなたの会社は、大学から技術を導入し、決められた時期に新製品を社会に提供し、売り上げ貢献(損益貢献)をすることです。つまり、共同研究の目的が大学とあなたの会社では異なります

そのため、きちんと計画通りに共同研究が進められているか、確認する必要がありますね。3か月に一度ほど、進捗報告会を実施するようにしましょう。

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研究のまとめ

共同研究が終わり、新しい技術をあなたの会社に導入ができました。大学の先生は、研究成果を学会発表を急がれると思いますが、まずは特許を出してからにしましょう。

特許執筆については、別の記事でお話したいと思います。

マネージャ
マネージャ

この記事では、大学からの技術導入の手順についてお話してきました。今後、各フェーズ毎で注意することを、私の経験をベースにお話したいと思います。

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