要素技術研究(基礎研究)と製品開発(応用研究)の違いは何? 研究開発1

研究開発
エンジニア
エンジニア

マネージャさん!工場の設計部門から研究開発部門に異動になりました。

マネージャ
マネージャ

そうですか。新しい職場はどうですか?

エンジニア
エンジニア

はい。上司や職場の方もいい人ばかりで楽しんで仕事してます。。。ちょっとマネージャさん、少し教えてほしいことがあるのですが。。。

マネージャ
マネージャ

なんでしょうか?

エンジニア
エンジニア

はい。上司から来年度の基礎研究(要素技術研究)テーマと製品開発テーマの検討会を行うから、アイデアを考えてくるように言われました。
ここでいう、基礎研究(要素技術研究)と製品開発の違いって何でしょうか?

マネージャ
マネージャ

わかりました。今回は会社(企業)でいう基礎研究(要素技術研究)と製品開発の違いについて、分かりやすくお話したいと思います。

この記事では、私が20年以上勤務しておりました”電気メーカ”の基礎研究(要素技術研究)と製品開発の定義について、お話しております。

他の電気メーカ、異なる業界(自動車・化学・半導体・装置メーカ)では、異なる表現をしているかもしれません。しかし、意図する基礎研究(要素技術研究)と製品開発は同じことをだと思います。表現が異なっている場合には、あなたの会社の読み方と読み替えて読み進めてもらえればと思います。

初めての転職は転職ナビ

基礎研究(要素技術研究)

一般に、基礎研究とは、Wikipediaによると、”自然またはその他の現象をより良く理解または予測するための科学的理論を向上させることを目指した科学研究である”と定義されています。大学や国立研究所等の研究者たちに基礎研究というと、こちらを意図されることが多いです。

一方、我々企業の技術者(研究者)が”基礎研究”というと、製品に応用するための新しい技術を導入することを基礎研究と、言うことがあります。

企業でも、世界に先駆けて新しい技術を創り出し、そして新製品にその技術を組み込んでいくこともあります。これは立派な基礎研究(要素技術研究)です。しかし、先行他社がすでに実用化しているものをキャッチアップとして取り組む場合においても、自社にとっては新しい技術を導入する場合には同じように基礎研究 (要素技術研究)と言うことがあります。

つまり、世の中にない技術や知見だけでなく、既に世の中や他社は保有しているが、自社にはその技術がないまたは知見がない時に獲得する手段を基礎研究と言います。

大学や国立研究所などと共同研究を行って技術導入(オープンイノベーション)する場合に、大学側の研究者との会話の中で”基礎研究”というと混乱することがあるので要素技術研究ということが、社内でも増えてきました。

製品開発

先のお話したました、企業で言うところの基礎研究で自社に導入した新技術を用いて、製品にする開発行為を製品開発と言います(すでにある既存の技術を用いて製品にする行為も製品開発と言います)。

基礎研究は技術を作り上げただけです。製品にすることとは異なります。

製品にするためには、社内の設計ルールに沿った設計と、ものづくりルールに沿ったモノづくりを行い、品質保証部門の承認が得られるように機能・性能を満足させる必要があります。同時に、製品の目標コストを満足させる必要があります。

基礎研究の段階では、このような製品開発で考慮しなければならないことを考えられていることはありません。

ただ、製品開発から基礎研究へ戻り開発費がかさみ、製品化が遅れることが起きます。このように基礎研究への戻ることがないように、基礎研究の段階から製品開発のことを考えて進めるべきだと個人的には思います。

キャリアデザインなら【ニューキャリア】

基礎研究(要素技術研究) から製品開発(応用製品)の期間

私が担当していた産業用電気製品の場合、おおよそ1~2年間基礎研究(要素技術開発)を行います。そして、製品化の技術的な目途付けが得られたら、1~2年間かけて製品開発を行い、市場に新製品を提供していきます。

ハイクラス人材紹介サービス【コトラ】

これは、業界によって大きく異なると思います(半導体のような数か月のものもあれば、造船や建設などのように10年単位のものもあるでしょう)。

タイトルとURLをコピーしました