マーケティング~テーマ提案~研究・開発~製品化までの流れ 研究開発9

エンジニア
エンジニア

マネージャさん。今度、ある制御機器をゼロから開発することになりました。

マネージャ
マネージャ

そうですか。ゼロから開発だと、要素技術~機能開発~量産化開発まで徹して開発する必要がありますね。

エンジニア
エンジニア

そうなんですが、実は何から手をつけていいのか分かりません。上司からは予算が取れたから始めてみなさいと言われました。

マネージャ
マネージャ

それはいけませんね。上司の方も、なぜ、その制御機器の開発が必要なのか実行部門の責任者のあなたにきちんと説明する必要がありますね

この記事では、
 ①要素技術に至るまでのテーマ起案の流れ、
 ②要素技術~機能開発~量産化開発までの流れ、
 ③量産化後のステップ

についてお話したいと思います。

要素技術に至るまでのテーマ起案の流れ

エンジニアさんは、ゼロから制御機器を開発するテーマを与えられました。一般に、新人さん+αクラス担当者さんクラスの方の職位の方であれば、このあたりから仕事を進めることになりますね。

しかし、企画部門の技術者の方や、主任さん+係長さんクラス管理職クラスになってくると、テーマを提案するところからの話しになりますね。以下に、テーマ提案前に実施する、
 ① 事業マーケティング
 ② 技術マーケティング
 ③ テーマ立案、提案、予算化
についてお話します。



事業マーケティング(地域性、ユーザ等)

事業マーケティングは、いつ、どの地域に、何を売ればいいのか、を考えるフェーズです。例えば、産業向け制御機器の場合、
 ① いつは、工場の新設のタイミング、リニューアルのタイミング、定期検査のタイミング
 ② どの地域は、国内向け、欧州向け、北米向け、中国向け、インド向け、東南アジア向け
 ③ 何を売るは、ハイエンド品、普及型品、ロウエンド品
等について、どこに当てはまるか、考えるようにしましょう。そして、いつのタイミングで、どこ地域に、何を売るのかを整理しましょう。

汎用品の場合、いつ?とうのはあまりないかもしれません。但し、環境規制が導入されるタイミングや法整備が変わるタイミング等そのタイミングを逃すと商機を大きく逃すことにつながります。





技術マーケティング(部品トレンド、技術動向トレンド)

いつまでに、どこ向けに、何を(高級品?・低級品?)を売りたいのか問うことが決まると、おおよその仕様も決まってきます。その時に、これらを実現するための新しい技術的な原理がないか、または、新しい部品はないのか、等技術調査をする必要があります。これが技術マーケティングです。

古い原理や、古い部品を使うと、大型化、高コスト化につながります。そのため、技術動向を把握して、開発着手のタイミングで最も新しい技術を導入するように考えましょう。



テーマ立案(スケジュール、技術課題整理、予算化)

一般に、本社の技術企画・技術戦略部門は、各事業部門から徴収した予算を管理し、研究開発部門に配分します。

この部門のスタッフを説得して、必要とする開発費用(開発工数、材料費(試作費用)、経費(派遣エンジニアの工数))をいただく必要があります。

そこで、先に述べた、事業マーケティン、技術マーケティングを整理し、開発スケジュール、技術課題の整理、発生する予算を説明する準備が必要です。

通常、次年度の予算について1年に1度、まとめて審議されることがありますが、必要に応じて予算申請をするようにしましょう。

また、この部門のスタッフとは日頃から情報交換し、事業マーケティングや技術マーケティングの情報をインプットしておくと、本番の予算申請の時にスムーズに予算化につながる可能性があります。



要素技術研究~機能開発~量産化開発までの流れ

さて、無事に研究開発予算が取れましたね。この記事の始まりに、”エンジニアさん”と”マネージャさん”との会話はここからの話ですね。

次に開発の流れについてお話したいと思います。

要素技術研究(基礎研究)

要素技術研究は、世の中にない技術や知見だけでなく、既に世の中や他社は保有しているが、自社にはその技術がないまたは知見がない時に獲得する手段のことを言います

ライバル企業に続いて新しい制御機器を開発したいと思っても、あなたの会社がその制御機器を開発する技術を有していない場合には、制御機器を開発するために必要な原理を解明していく必要がありますね。

これはすでに他社では実現しているので、世の中にない技術ではありませんが、自社で保有していないので自社の技術とするためにこれらの技術を獲得する必要がありますね。

機能開発

原理が確立すると(要素技術開発が完了)、次に、製品に近い形の試作品を開発しなくてはなりませんね。外見、機能、性能上(ここでは環境性能を省く)は製品と同じ形態になります。但し、コスト、環境性能、機械的信頼性などは担保しないものです。

通常、要素技術研究から機能研究までを研究開発部門が担うものになります。




製品化開発

機能開発が完了後、製品化開発のフェーズに移ります。 ここからは工場(ものづくり部門)の設計部門が担当する領域です。

先に、コスト、環境性能、機械的信頼性などは満足できないものでしたが、機能開発の試作品をベースに、製品コスト、環境性能、機械的信頼性を考慮した設計をやり直し、量産試作品を開発します

当然、量産試作品は機能や性能を担保した上で、 製品コスト、環境性能、機械的信頼性を満足させる必要があります。

ここで、信頼性や製品コストが満足できない量産試作ができた場合には、要素技術研究~機能開発まで戻ることがあります。

このタイミングで製品の型投資なども行います。



品質検証

製品化開発が完了し、量産試作は、品質検証部門に送られ、各種環境評価(高温高湿通電、ヒートサイクル、ヒートショック、プレッシャークッカー等)、機械的信頼性試験(衝撃試験、振動試験、落下試験)等を行います

これらの試験をパスしたら製品化を認めてもらうことができます。



製品化

品質検証部門から承認をもらえたら、量産化が認められます

購買部門で部品等の手配ができるように手続きを行います。お客さんからの受注があったら、生産部門から購買部門に部品の手配、製造部門に製造手配が行われ、物作りが始まります。

量産後ステップ

製品化が終了後半年から1年後に、事業マーケティングの結果策定された事業計画通り売り上げが立っているか、また、品質保証部門からクレームなどの情報がないのか、等検証するようにしましょう。

マネージャ
マネージャ

いかがでしたでしょうか?研究開発テーマが始まる事業・技術マーケティング~研究開発までの流れについてお話してきました。

今後、各フェーズ毎について詳しくお話したいと思います。

派遣エンジニアを活用してソフトウエアを開発しよう メリットとデメリット 研究開発8

エンジニア
エンジニア

マネージャさん。先の記事で、教えていただきました通り、うまく外注さんを使ってマイコンを使った組込みシステムを開発することができました。

ありがとうございました。

マネージャ
マネージャ

よかったですね。トラブルはありませんでしたか?

エンジニア
エンジニア

そうですね。トラブルってことはありませんでしたが、外注さんがどのように仕事を進めているのかわからないので不安でした。

マネージャ
マネージャ

そうですね。外注さんに任せてしまったあと、定期的な進捗打ち合わせを行うこともありますが、実際にどのように仕事を進めているか分かりませんよね。

一方、外注さんの活用以外の方法の一つに”派遣エンジニアさん”にあなたの会社に来てもらってソフトウエアを開発してもらうことがありますね。

この記事では、派遣エンジニアさんを活用したソフトウエアの開発をした時のメリットとデメリットについて、お話したいと思います。

先の記事で、外注さんを活用した組込みシステムの開発についてお話しました。しかし、外注さんに依頼することは、”業務委託契約”になり、仕様書を明確に記載しなくてはなりませんね。

また、仕様変更があった場合には、その都度、仕様書変更、再見積もり、再度、業務委託契約の再締結と非常に手間がかかります

では、派遣エンジニアを活用して組込みシステムを開発する場合はどうでしょうか?

メリット

一番のメリットは、仕様書などのドキュメント類などを準備することなく、日々の打ち合わせの中でソフトウエアが作られていくことです。派遣されてきたエンジニアさんにもよりますが、ソフトウエアのコードが作られていくのと同時に、仕様書やドキュメントも作られて行きますね

予め、作成するソフトウエアの仕様がきっちりと決まっている場合には、外注さんに仕様書を提示してその通り作ってもらうのが最も効率がいいです。しかし、研究開発を進めるうえで必要となってくるソフトウエアなどの場合、研究の進捗や課題によってソフトウエアの仕様は日々変わりますね

その様なときに、実際に作業している派遣エンジニアさんがそばで、都度修正してもらうことで効率的な開発をすることができます。

デメリット

あなたが進めている研究開発の遅延等により、仕様などのが遅れた場合には、派遣されたエンジニアさんは時間が空くことになります。

今日は仕事がないからいいです、とうことは言えません。そのため、予め作業内容をきちんと見積もったうえで、十分な業務量がこなせることを考慮して派遣エンジニアさんに業務を依頼するようにしましょう

また、メリットの中で、日々の打ち合わせの中でソフトウエアが作られていくとお話しましたが、労働者派遣法により、あなたが直接派遣されたエンジニアさんに指示を出すことはできません。めんどくさい話ですが、派遣されたエンジニアさんの上司とお話して、その内容で派遣されたエンジニアさん仕事をお願いすることになりますね。

マネージャ
マネージャ

いかがでしたでしょうか?

組込みシステム用ソフトウエアを開発する場合、先の記事でお話した外注さんにお願いをする場合、今回の記事の派遣エンジニアさんの場合の2つの手段があります。

① 外注さんにお願いする場合は、予め仕様がかなりフィックスされているソフトウエアが適している

② 派遣エンジニアさんにお願いする場合は、仕様が不確定で、常に相談しながらソフトウエア開発をした場合に適している

ということになります。ソフトウエア開発の時の参考になれば幸いです。

外注さんを活用して組込みシステム用ソフトウエアを効率的に開発しよう 研究開発7

エンジニア
エンジニア

マネージャさん。今度、マイコンを使った組込みシステムを開発しなくてはならなくなりました。

マネージャ
マネージャ

そうですね。回路とソフトウエアの両方の知識が得られますね。エンジニアとして幅が広がるじゃないですか!

エンジニア
エンジニア

はい。

しかし、私は機械系エンジニアで、ソフトウエアのことは少しは分かるのですが、組込みシステム用ソフトウエア開発は初めてです。

私のグループ内にも組込みシステム用ソフトウエア開発の経験者おりません。

今のところ、外注さんに依頼しようかと思ってます。しかし、どこから手を付けていいのかわからずに困ってます

マネージャ
マネージャ

そうですか。

では、初めて組込みシステム用ソフトウエアを開発するあなたに、私の経験から仕事の進め方についてお話したいと思います。

この記事では、組込みソフトウエア開発エンジニアでないエンジニア(例えば、機械系技術者、電機系技術者、物理・化学系技術者)が、初めて組込みシステム用ソフトウエアの開発を実施するときの仕事の流れについてお話します。

この記事では、組込みシステム用ソフトウエアを外注へ依頼するまでの仕事の流れについてお話するため、マイコン以外の周辺回路設計は完了している前提でお話します。

実際の開発の現場では、主要電子部品であるAD(アナログ・デジタル)コンバータや、その他周辺回路設計も進めます。しかし、 周辺回路設計のお話は省略し、別の機会でお話したいと思います。



マイコンで処理する範囲を考える

マイコンは、
 センサからの物理情報や外部機器からの通信情報を入力し(入力)、
 何かの処理をしたあと(処理)、
 外部へ出力する(出力)
ものですね。これらの、入力、処理、出力をブロック図にしてみましょう。そして、マイコンでやってもらうこと、マイコンではやらせないことを明確にしましょう

この段階で仕様書を書いてはいけません。。。やり直しが多くなってしまいます。 



マイコンを選定する

あなたは始めてマイコンを使った組込みシステムを開発することになります。なので、マイコンメーカなんて知るはずもありません。

私は、機器開発エンジニアでした。開発する機器は、あまり高度な処理は必要はなかったですが、低消費電力、大量データ処理、小型(ADC内蔵等)のマイコンを選ぶ傾向が多かったです。

そのため、日本テキサス・インスツルメンツ合同会社(TI)、ルネサスエレクトロニクス株式会社(ルネサス)、STマイクロエレクトロニクス株式会社(STマイクロ)等を用いることが多かったです。



では、どのようにマイコンを選定していくのか。初心者のあなたがマイコンメーカホームページやカタログを眺めながら選定するのは得策ではありません。それは、初心者のあなたはマイコンに関する知識が圧倒的に不足しているからです(この記事はそのような方に向けて記載してます)。

その様な場合には、マイコンメーカの方にマイコンを選定してもらいましょう。私の場合は、上記の3~4社ぐらいのマイコンメーカの営業担当者さんと、商社の方に来場してもらい、先にまとめた、入力、処理、出力をベースにマイコンで実施したいことをお話しました。

そうすることにより、マイコンメーカは、取り扱っているマイコンで最も適したマイコンを選定してくれます(但し、単品装置等で1つのマイコンのみ使う場合は無理です。数がある場合にはメーカの人は対応してもらえます)。

また、複数社を同時に比較することで、最も安価なメーカを選ぶことができます

本命のメーカの価格が他社に比べて高い場合には、価格交渉の材料になりますので、必ず複数社から相見積もりを取るようにしましょう。



プログラミング言語の選定

マイコンの選定が終わりました、組込みシステム用ソフトウエアの開発言語を選定しましょう。メーカ推奨の言語もあるかと思います。

しかし、外注さんの依頼が終了しソフトウエアが出来上がった後に、ちょっとした機能追加、仕様変更等があった場合、自分で実施した方がいいこともあります。

このような場合、あなたが今まで取り扱ったプログラミング言語、またはチームメンバーが扱ったことがあるプログラミング言語を選定することをお勧めします。



ドキュメント作成(仕様書類)

外注さんへ依頼するドキュメントを作成しましょう。

依頼の範囲を決める

今回外注さんに依頼したいと思っている組込みシステムは、あなたの付加価値の高い機器(装置)を実現するため手段ですね。

そのため、コアの技術(コアのアルゴリズム等)のプログラムがある場合には、あなた自身で記載するべきですね。あなたが作業するプロジェクトのコアとなる技術の範囲は、できるだけ外注さんにはブラックボックス化することで技術漏洩点からもお勧めします。

一方、外部への情報の入出力、基本的な信号処理、ハードウエアの制御等は、外注さんの経験が豊富であると推察できるところは全面的にお願いしましょう。

機能仕様書作成

機能仕様書を作成しましょう。初めて組込みシステムを開発される方には、マイコンで実現した機能を箇条書きで結構ですから書き出してみましょう。ここまでだけですと、
 処理の流れなど、
 具体的な組込みシステムの構成
は外注さん任せになります。途中で、全面的な設計変更のリスクがあるかもしれません。

そのため、フローチャートや状態遷移図などまで記載できるようであれば記載して指示できるようにしておいた方がいいです。

この機能仕様書の中には、”依頼の範囲を決める”でもお話しましたが、あなたがプログラミングする必要がある場合には、その点は明確に記載しましょう。

あなたがプログラミングするところは、たぶん、今の時点では曖昧(不確定)なところが多いと思います。不確定なアイテムが外注さんが担当するところに含まれると、開発費が大きくなる可能性があります。

そのため、外注さんにお願いするところ、自分でプログラミングするところは明確に分けるようにしましょう




依頼する性能仕様書作成

性能仕様書を作成しましょう。

性能仕様で一番気になるところは処理時間になります。外部から信号がタイミングとその信号量、処理する時間と処理信号の量、外部へ信号を出力するタイミングとその信号量があります。すなわち、処理の時間が最もシステムを決めるうえで大きな影響を持つことになります。

そのため、一定の処理を実施するための処理時間を中心に記載するようにしましょう。

試験(検査)仕様書作成

上記の機能仕様書、性能仕様書に明記した機能および性能を確認するための項目、試験方法、期待する試験結果を記載し、外注さんに試験してもらうにしましょう。

提出ドキュメントリスト

外注さんが作成するドキュメントをリスト化しておきましょう。

例えば、
 外部仕様書(取扱説明書等)、
 内部仕様書(関数やデータ構造等が記載されているもの)、
 フローチャート、
 状態遷移図、
 試験成績書
等が挙げられると思います。



外注さん調査、外注さんへの説明・見積もり依頼、外注さん選定

外注さんの調査

初めて組込みシステムを開発するためにあなたは、組込みシステムの外注さんなんて知るはずがありませんよね。その場合には、あなたの会社の購買部門に依頼して、過去(または今現在)、付き合いがある組込みシステムの外注さんを選んでもいいかと思います

また、あなたの会社の購買部門で組込みシステムの外注さんと付き合いがない場合には、マイコンメーカが取り扱う商社の担当者に紹介してもらうてがあると思います。

マイコンメーカの商社さんは、マイコンの組込みシステムなどの問い合わせが外注さんからあるので、把握されていることが多いです。

少なくとも相見積もりを取るために外注さんは少なくとも3社にはお声がけをするようにしましょう。



外注さんへの説明・見積依頼

作成されたドキュメント類を外注さんに説明しましょう。その時に、外注さんからの指摘で不明瞭な点があった場合には、仕様書を見直しましょう(これによって仕様書作成能力が上がります)。また、的確に指摘をしてくれる外注さんは、技術力も高い可能性があるので、選定する際の評価のポイントとしてもいいかと思います。

説明が終わったら、
 見積書(開発費・納期)、
 計画書を各作業項目ごとにガントチャート
で提出してもらうようにしましょう。



外注さん選定

少なくとも3社からの見積もりがとれましたでしょうか?

見積もりが取れましたら、見積もり書を比較して、開発費、開発スケジュール、また、説明時の外注さんの理解度や提案力などを勘案して、決めるようにしましょう。

外注先の選定によりプロジェクトの可否が決まると言ってもいいので、選定には慎重に実施するようにしましょう。

ただ、開発費が特に安い会社に頼むことはリスクがある場合があります。技術力や提案力、組込みシステムソフトウエアの開発終了後のフォロー等を含めて総合的に決めてください

依頼時に注意すること

秘密保持契約は結ぶこと

技術漏洩を防ぐためにも秘密保持契約を締結しておくことをお勧めします。

ソフトウエアの権利は自社にしておくこと

ソフトウエアの権利の帰属をあなたの会社にしておくことを、外注さんとの打ち合わせの時に取り決めしておきましょう。せっかく開発費を投じて開発しても、その権利は外注さんに会って、その外注さんだけでしか修正ができなくなることがあります

自社でソフトを修正することも、別の外注さんへ変更することもできなくなることがあります。

権利を譲らない外注さんへの依頼は注意しましょう。



マネージャ
マネージャ

いかがでしたでしょうか?少し長い記事で退屈だったかもしれませんね。

次は、記事は、自社内に派遣のソフトウエア技術者を置いて開発するときの方法についてお話します。

思いついたアイデアは権利化しよう。時間を手間をかけずに、特許を書こう! 研究開発4

エンジニア
エンジニア

要素技術研究も始まりました。結果、最近になって、いろいろなアイデアがでてきました。

マネージャ
マネージャ

そうですか?アイデアの権利化は進めてますか?

エンジニア
エンジニア

権利化?特許ですか?

マネージャ
マネージャ

そうですね。特許です。

せっかく考えたアイデアも、競合退社が先行して特許を出してしまうと開発計画の見直しや、事業方針まで見直すことになることもあります。そのため、アイデアが出た場合には、特許を一日でも早く出すようにしましょう。

この記事では、ある程度経験がある技術者の方が、早期に特許をだす方法について、私の経験からお話したいと思います。

また、この記事はハードウエアの権利化についてお話しますので、他の技術分野、例えば、ソフトウエア、化学、製薬などについては参考にならないかもしれません(すいません)。

私が特許を始めて執筆した時(20年以上前)、あまり事業に直結しない要素技術研究を担当していました。そのため急いで権利化する必要性もそんなになかったので、誰の支援も受けずに、先輩の執筆した特許を参考に、見様見真似で執筆しました。

通常の研究開発業務を進めながら、特許執筆をしたのですが、1件の特許を執筆のに1か月ぐらい要しておりました。

しかし、1件の特許を執筆するのに1か月も要していては、他社に先駆けて権利化をするのが遅れてしまいます。

個人的に、時間が許すのであれば、初めて特許を執筆するときには、ゼロから特許を執筆することをおすすめします。しかし、製品開発を進めながら、他社よりも先駆けて権利化を主張していくときに、特許を執筆するのに要する時間は最小化する必要がありますね。

この記事では、ある程度経験のある技術者が最短で特許を執筆する手順についてお話します。

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先行技術調査

特許は、今まで世の中になかったアイデアを独占する権利です。そのため、先に誰かがそのアイデアで権利化していれば、特許化することができません

そのため、まず、あなたのアイデアが、誰かが先に特許化(権利化)していないか、調べてみましょう。

調査は、特許情報プラットフォーム等のデータベースが使えます。前職では、野村総研の特許情報サービスを使ってまいたが、無料の独立行政法人工業所有権情報・研修館の 特許情報プラットフォームで十分だと思います。特許庁のホームページからもアクセスできます。

先行技術調査した結果、類似の特許があっても大丈夫です(逆に、先行技術は特許には必須になります)。あなたのアイデアと先行技術が必ず同じであることは少ないです(但し、全く同じであればあきらめましょう)。

アイデアの違いを見極めて、その違いに、あなたのアイデアの方が先行技術に対する優位性があれば、権利化することができる可能性があります

図面の作成

先行技術と、あなたのアイデアを比較できるような図面を作成しましょう。図面を作成する前にエクセルなどを用いて、先行技術との違いを示す比較表を作成しましょう。そうすることで、違いを明確に打ち出すことができます。

図面作製にはCADを使ってもいいですし、パワーポイントでもいいです。もちろん、研究開発で検討した図面をそのまま使ってもいです。但し、これは弁理士にて、図面を書き直してもらう前提にしてください。あなたの図面には、権利と関係ない情報もあるはずです。

図面作成に時間をかけたくなければ、手書きでも十分です。最終的な図面の清書は弁理士さんにお願いしてもいいです。

請求項の作成

図面が出来ましたら、権利の範囲を決める請求項を作成しましょう。ここでは箇条書きレベルでも結構です。弁理士さんとお話しながら最終的に請求項を決めていけばいいのです。思いつくレベルで結構ですので、権利化したいことを箇条書きで洗い出しましょう。

説明文書の作成

図面の説明文書を作成しましょう。請求項を書く前に、説明文を記載してもいいですが、私は図面を書いた後に、請求項を記載するようにしてます。その理由は、説明文を記載した後に改めて、請求項を見直すようにしたいからです。

弁理士への面談・説明

図面、請求項、図面の説明の文書が出来たら、あなたの会社の知財部門を交えて、弁理士と面談の機会を設定してもらいましょう。

この面談には、1件の特許におおよそ2~3時間はかかると思います。まずは何を権利したいかということから説明し、先行技術、そして発明のアイデア、そのアイデアの進歩性についてお話しましょう(口頭でOKと思います。弁理士さんはボイスレコーダで記録しています)。それから図面、図面の説明文書、請求項の説明を行いましょう。

この時に、弁理士さんからいろいろ質問があります。この質問が重要です。

弁理士さんは、客観的にアイデアを考察してくれるからです。また、この質問から新たなアイデアが生まれて、そのまま請求項を付け足したり、図面を追加したり(ホワイトボードレベルで)することになります

私は、弁理士の面談前におおよそ1日かけて3~4件の図面作成、請求項作成、説明文書を作成しました。特許3~4件に相当します。そして、1日かけてこれらのを特許を弁理士に説明します。大体2名ぐらいの弁理士がこられて、一日説明することになるので、この説明が終わるとぐったりです。

キャリアデザインなら【ニューキャリア】

弁理士のクレーム作成・クレームのチェック

おおよそ1か月程度で、弁理士さんにてクレームを作成してもらいます。この間にいろいろ電話やメールの問い合わせがありますが、きちんと対応するようにしましょう。これによってクレームの質が大きく変わります。

そして、クレームが作成できると、その内容についてチェックしましょう。弁理士さんはクレーム作成のプロなので、きれいにクレームを作ってもらえます。

あなたがチェックするのは権利化の範囲ですね。

ハイクラス人材紹介サービス【コトラ】

知財部門の事務的な処理

クレームのチェックが終われば、アイデアを出した技術者である、あなたの役割は終わりです。

知材部門にて事務的な処理を実施してもらうことになります。その時に、急ぎ権利化をお願いすることを言っておきましょう。

マネージャ
マネージャ

この記事では、早く権利化するために、自分一人で執筆するのではなく、上手く弁理士を活用して権利化することについてお話しました。

独自開発する?いやいや、オープンイノベーションで進めましょう。研究開発3 

エンジニア
エンジニア

マネージャさん。先日お話した新製品の開発プロジェクト、私が開発プロジェクトのリーダに選任されました。

マネージャ
マネージャ

そうですか。よかったですね。

エンジニア
エンジニア

しかし、このプロジェクトでは、今まで社内で保有していない技術を新たに開発する必要があります。

しかし、新技術開発(基礎研究・要素技術研究)を行うには、社内のリソースだけでは不十分ではと思って心配しております。

マネージャ
マネージャ

では、社外のリソースをうまく使ってすすめませんか?

エンジニア
エンジニア

え!社外のリソースですか?

マネージャ
マネージャ

はい。

今回は、社外から新技術を導入する方法の一つであるオープンイノベーション、特に大学からの技術導入の流れについてお話したいと思います。

この記事では、大学で保有する新技術をあなたの会社に導入する手段の1つとしてオープンイノベーションの手順についてお話したいと思います。

大学・研究機関の先生(研究者)の調査

あなたの会社にない技術を社外、例えば、大学から導入しようと考えた場合、
 どの大学で、
 どのような先生が
 どのような研究をしているか
ゼロベースで調べる必要がありますね。

月並みな話になりますが、まずはインターネットベースで調べることなりますね。あなたが会社に導入したい技術をキーワードにして研究者を検索してみましょう。

目ぼしい先生がヒットしましたら、先生をリスト化していきましょう。一人の先生に絞り込まずに、先生を選定を選んで、リスト化しましょう。

Paper

次に、これらの先生の所属する学会を調べ、リストに追加するようにしましょう。

大学・研究機関の先生(研究者)の絞り込み

候補となる先生のリストをもとに、先生が執筆された論文・特許を集めて、読み込みましょう。そして、あなたが導入する技術を保有しているか、また、導入する可能性があるかなども調べましょう。

その時に、既に他の企業と共同研究をしている場合には、あなたの会社に技術を導入できない可能性もあります。

ただ、他の企業と研究されていても、競合となる企業でない場合には、先生を通してその他の企業とコラボレーションもできる可能性があります。

候補となる先生が他の企業と共同研究を実施していることを調査する場合には、
 特許の発明者の連名に会社の方が乗っている場合、
 論文の共同著書になっている場合
には、共同研究を実施している可能性が大いにあります。

また、あなたの会社・大学のロケーションの距離も考慮・して選ぶようにした方がいいでしょう。

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アポイントメント・面談・実験室見学 

候補となる先生が決まりましたら先生に連絡を取り(メール等でいいかと思います)、アポイントを取りましょう。そして先生に面談するようにしましょう。

先生との面談の際には、会社の説明と、実施したいことの概要をお話するようにしましょう。この時点では、秘密保持契約も締結していない状況なので、お話できることは限られることをお話した上で、秘密保持契約締結をお願いするようにしましょう

また、先生の面談の際には、許せるのであれば実験室の見学をお願いしてみましょう。大学の研究室の設備、学生さんのレベルも確認しましょう。今後、共同研究ができるかどうか判断する上でも実験室の見学は重要です。

また、訪問する際には、お土産は忘れないように(できれば、アポイントメントの後には会食していろいろ情報収集してみましょう。コロナ禍ではむずかしいかもしれませんが。。。)

秘密保持契約の締結

訪問した先生と、共同研究が可能であると判断できるようであれば、秘密保持契約を締結しましょう。秘密保持契約書は、可能であれば大学のフォーマットを使いましょう。必要事項を記載し、あなたの法務部のチェックを受けて、ドラフトの状態で大学の先生または産学連携の担当者に送付しましょう。そして、大学側の法務部のチェックを受けるようにしましょう。

あなたの会社で秘密保持契約書に手を入れてない場合(修正してない場合)には、大学の法務部のチェックはほとんどないと思いますが、あなたの会社の法務、大学側の法務のチェックを受けたうえで秘密保持契約を締結するようにしましょう。

また、秘密保持契約書の決裁権限規定は、各社毎に異なることがあると思います。決裁権限を確認して捺印をもらうようにしましょう。

技術打合わせ

秘密保持契約が締結できたので、あなたの会社が大学から技術を導入したい内容を具体的に、大学の先生にお話するようにしましょう。

通常、技術導入には共同研究によって技術導入することが一般的です。また、比較的既知の技術であれば技術指導等導入の方法もありますが、この記事では共同研究による方法についてご説明します。

共同研究を実施するために必要な、実行計画書を準備するようにしましょう。そして、大学の先生の役割、あなたの会社の役割を明確にしましょう。また、発生する費用などについて協議を行い、共同研究契約書が締結できるために必要な準備を行いましょう。

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共同研究契約の締結

秘密保持契約書と同様に、あなたの会社と大学側の法務のチェックを受けて、共同研究契約を締結するようにしましょう。

共同研究契約を締結した後、共同研究費を大学に納付するようにしましょう。共同研究費は、大学の先生が共同研究で使う経費と、大学側の産学連携本部が徴収する経費があります。

そのため、共同研究で使う経費+α分を考慮して、あなたの会社の納付金額を準備する必要があり注意してください。

共同研究の実施・定期レビュー(進捗確認)

ここまできてやっと、共同研究がすすめられますね。

ただ、大学だけに共同研究を任せておいてはいけません。大学側では、あなたの会社と同じように共同研究をすすめられるとは限りません。

大学側は、あくまで学会発表や論文発表をすることが目的です。一方、あなたの会社は、大学から技術を導入し、決められた時期に新製品を社会に提供し、売り上げ貢献(損益貢献)をすることです。つまり、共同研究の目的が大学とあなたの会社では異なります

そのため、きちんと計画通りに共同研究が進められているか、確認する必要がありますね。3か月に一度ほど、進捗報告会を実施するようにしましょう。

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研究のまとめ

共同研究が終わり、新しい技術をあなたの会社に導入ができました。大学の先生は、研究成果を学会発表を急がれると思いますが、まずは特許を出してからにしましょう。

特許執筆については、別の記事でお話したいと思います。

マネージャ
マネージャ

この記事では、大学からの技術導入の手順についてお話してきました。今後、各フェーズ毎で注意することを、私の経験をベースにお話したいと思います。

その要素技術研究を自分でやるの、それとも、オープン・イノベーションでやるの!? 研究開発2

エンジニア
エンジニア

マネージャさん、世界初の半導体分析機器の開発プロジェクトが始まりました。社運を賭ける大型プロジェクトです。

マネージャ
マネージャ

そうですか。楽しそうなプロジェクトですね。いろいろな技術を組み合わせて製品化する必要があるのではないでしょうか?

エンジニア
エンジニア

はい。このプロジェクトは、
・半導体を検知する光を応用した技術、
・光の信号を電気信号に変換するアナログ・デジタル回路技術、

・信号処理・通信などを行うソフトウエア技術等

など組み合わせ技術です。しかし、私の会社は、光を応用した技術を有しているエンジニアが不在で、基礎研究(要素技術研究)をどのように進めるべきなのか悩んでいます。

マネージャ
マネージャ

基礎研究(要素技術研究)を自社だけでやらなくてもいいのでは?

エンジニア
エンジニア

え!どういうことでしょうか?

マネージャ
マネージャ

自社で基礎研究(要素技術研究)を行わなくても、
 ・社外で技術を開発させる、
 ・社外から技術を導入する等、
すべて自社で行うことはないですよ。

今回は、自社で基礎研究(要素技術研究)を行うべきもの、社外から技術を導入するオープンイノベーションで進めるべきもの、を決めるポイントをお話したいと思います。

この記事では、自社で保有していない要素技術を獲得するために、
・自社で要素技術研究を行って、製品化を行うか、
・社外から要素技術を導入して、製品化を行うか(オープンイノベーション)、
と、いうことについて議論をしたいと思います。

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ここでは、開発納期の問題、開発費用の問題から外注にて開発してもらう、という議論ではありません。その議論は、このページに記載がありますので、どうぞ。

自社で基礎研究(要素技術研究)を行うべきもの

自社で要素技術研究をするべきかどうかを判断する前に、まず、あなたの会社の技術の棚卸をしましょう。

技術の棚卸をする場合、まず、1枚のシートを準備しましょう(エクセルで結構です)。そのシートの縦軸に、自社の技術アイテム(例えば、
 ・物理(光・磁気・超音波・・・)、
 ・アナログ回路(IV変換回路、CV変換回路、増幅回路・・・)、
 ・デジタル回路、
 ・マイコン・FPGA、
 ・ソフトウエア等・・、
 ・機械(機械設計、機械加工、板金・・・)、
 ・機械力学、熱力学・・・等)、
を記載しましょう。自社に技術がなくても、将来的にもつべきものがあれば、その技術も記載しましょう。

横軸に、部門または個人名を記載しましょう。これでマトリックスが出来ましたね。

そのクロスする位置に、その部門・個人が、業界トップレベルに技術に精通している場合◎、業界レベルの場合〇、業界から落ちる場合△、技術のことを知らない場合×を付けてみましょう。

これを以下、技術マップと言いましょう。

技術の棚卸をして、技術マップを作製すると、あなたの会社、部門、チームの技術レベルがわかってきますね。

この記事で言及している要素技術研究は、あなたの会社にない技術をゼロから開発することですね。つまり、技術マップ上は”×”になっている技術を導入するアクションになりますね。

自社で基礎研究(要素技術研究)を行うべきものは、導入対象となる技術”×”のマトリックス近傍に、自社の得意とする技術◎、〇がある場合です。

今は、その要素技術を獲得することができてないが、あなたの会社には、それに類似した技術を持っています。そのため、導入対象となる要素技術”×”を比較的簡単に取得することが可能です。類似技術を持っていれば、開発手順や、知見のある専門家などの人脈をたどるのも比較的に楽になると思われます。

また、類似した先駆的な技術を有しているため、導入対象となる要素技術×を導入するタイミングで比較的簡単に、新しい原理等が思いつきやすくなり特許や論文などが出やすくなります。つまり、自社でこれらの知的財産を独占することができますね。

社外から技術を導入するオープンイノベーションで進めるべきもの

次に、自社にて要素技術研究するよりも、社外から技術を導入した方がいい場合について考えてみましょう。

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社外から技術を導入した方がいいのは、 導入対象となる要素技術 ×が、先に説明しました技術マップのマトリックス近傍に自社の得意とする技術◎や〇がない場合になります。つまり、導入しようと思う技術の類似技術がない場合には、社外から導入するべきです。

このような場合には、自社に、要素技術研究を行うための設備や、人的資本もない場合が多いです。そのため、大学や、研究機関等と協力してオープンイノベーション的に、技術導入する方がいいと思います。

また、 導入対象となる要素技術の出口となる製品が、自社と異なる業界の製品の場合です。例えば、電気会社が医療機器分野へ新たな医療機器をもって進出する場合を行う場合になります。

このような場合には、その業界の慣習や、法律・規制等技術以外のものも同時に導入する必要があるためです。

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マネージャ
マネージャ

自社で要素技術研究をゼロから行うか、社外から要素技術を導入するかを決定するうえで参考になればと思います。

次の議事でオープンイノベーションの立上げ情報についてお話したいと思います。

要素技術研究(基礎研究)と製品開発(応用研究)の違いは何? 研究開発1

エンジニア
エンジニア

マネージャさん!工場の設計部門から研究開発部門に異動になりました。

マネージャ
マネージャ

そうですか。新しい職場はどうですか?

エンジニア
エンジニア

はい。上司や職場の方もいい人ばかりで楽しんで仕事してます。。。ちょっとマネージャさん、少し教えてほしいことがあるのですが。。。

マネージャ
マネージャ

なんでしょうか?

エンジニア
エンジニア

はい。上司から来年度の基礎研究(要素技術研究)テーマと製品開発テーマの検討会を行うから、アイデアを考えてくるように言われました。
ここでいう、基礎研究(要素技術研究)と製品開発の違いって何でしょうか?

マネージャ
マネージャ

わかりました。今回は会社(企業)でいう基礎研究(要素技術研究)と製品開発の違いについて、分かりやすくお話したいと思います。

この記事では、私が20年以上勤務しておりました”電気メーカ”の基礎研究(要素技術研究)と製品開発の定義について、お話しております。

他の電気メーカ、異なる業界(自動車・化学・半導体・装置メーカ)では、異なる表現をしているかもしれません。しかし、意図する基礎研究(要素技術研究)と製品開発は同じことをだと思います。表現が異なっている場合には、あなたの会社の読み方と読み替えて読み進めてもらえればと思います。

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基礎研究(要素技術研究)

一般に、基礎研究とは、Wikipediaによると、”自然またはその他の現象をより良く理解または予測するための科学的理論を向上させることを目指した科学研究である”と定義されています。大学や国立研究所等の研究者たちに基礎研究というと、こちらを意図されることが多いです。

一方、我々企業の技術者(研究者)が”基礎研究”というと、製品に応用するための新しい技術を導入することを基礎研究と、言うことがあります。

企業でも、世界に先駆けて新しい技術を創り出し、そして新製品にその技術を組み込んでいくこともあります。これは立派な基礎研究(要素技術研究)です。しかし、先行他社がすでに実用化しているものをキャッチアップとして取り組む場合においても、自社にとっては新しい技術を導入する場合には同じように基礎研究 (要素技術研究) と言うことがあります。

つまり、世の中にない技術や知見だけでなく、既に世の中や他社は保有しているが、自社にはその技術がないまたは知見がない時に獲得する手段を基礎研究と言います。

大学や国立研究所などと共同研究を行って技術導入(オープンイノベーション)する場合に、大学側の研究者との会話の中で”基礎研究”というと混乱することがあるので要素技術研究ということが、社内でも増えてきました。

製品開発

先のお話したました、企業で言うところの基礎研究で自社に導入した新技術を用いて、製品にする開発行為を製品開発と言います(すでにある既存の技術を用いて製品にする行為も製品開発と言います)。

基礎研究は技術を作り上げただけです。製品にすることとは異なります。

製品にするためには、社内の設計ルールに沿った設計と、ものづくりルールに沿ったモノづくりを行い、品質保証部門の承認が得られるように機能・性能を満足させる必要があります。同時に、製品の目標コストを満足させる必要があります。

基礎研究の段階では、このような製品開発で考慮しなければならないことを考えられていることはありません。

ただ、製品開発から基礎研究へ戻り開発費がかさみ、製品化が遅れることが起きます。このように基礎研究への戻ることがないように、基礎研究の段階から製品開発のことを考えて進めるべきだと個人的には思います。

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基礎研究(要素技術研究) から製品開発(応用製品)の期間

私が担当していた産業用電気製品の場合、おおよそ1~2年間基礎研究(要素技術開発)を行います。そして、製品化の技術的な目途付けが得られたら、1~2年間かけて製品開発を行い、市場に新製品を提供していきます。

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これは、業界によって大きく異なると思います(半導体のような数か月のものもあれば、造船や建設などのように10年単位のものもあるでしょう)。