その要素技術研究を自分でやるの、それとも、オープン・イノベーションでやるの!? 研究開発2

研究開発

エンジニア
エンジニア

マネージャさん、世界初の半導体分析機器の開発プロジェクトが始まりました。社運を賭ける大型プロジェクトです。

マネージャ
マネージャ

そうですか。楽しそうなプロジェクトですね。いろいろな技術を組み合わせて製品化する必要があるのではないでしょうか?

エンジニア
エンジニア

はい。このプロジェクトは、
・半導体を検知する光を応用した技術、
・光の信号を電気信号に変換するアナログ・デジタル回路技術、

・信号処理・通信などを行うソフトウエア技術等

など組み合わせ技術です。しかし、私の会社は、光を応用した技術を有しているエンジニアが不在で、基礎研究(要素技術研究)をどのように進めるべきなのか悩んでいます。

マネージャ
マネージャ

基礎研究(要素技術研究)を自社だけでやらなくてもいいのでは?

エンジニア
エンジニア

え!どういうことでしょうか?

マネージャ
マネージャ

自社で基礎研究(要素技術研究)を行わなくても、
 ・社外で技術を開発させる、
 ・社外から技術を導入する等、
すべて自社で行うことはないですよ。

今回は、自社で基礎研究(要素技術研究)を行うべきもの、社外から技術を導入するオープンイノベーションで進めるべきもの、を決めるポイントをお話したいと思います。

この記事では、自社で保有していない要素技術を獲得するために、
・自社で要素技術研究を行って、製品化を行うか、
・社外から要素技術を導入して、製品化を行うか(オープンイノベーション)、
と、いうことについて議論をしたいと思います。

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ここでは、開発納期の問題、開発費用の問題から外注にて開発してもらう、という議論ではありません。その議論は、このページに記載がありますので、どうぞ。

自社で基礎研究(要素技術研究)を行うべきもの

自社で要素技術研究をするべきかどうかを判断する前に、まず、あなたの会社の技術の棚卸をしましょう。

技術の棚卸をする場合、まず、1枚のシートを準備しましょう(エクセルで結構です)。そのシートの縦軸に、自社の技術アイテム(例えば、
 ・物理(光・磁気・超音波・・・)、
 ・アナログ回路(IV変換回路、CV変換回路、増幅回路・・・)、
 ・デジタル回路、
 ・マイコン・FPGA、
 ・ソフトウエア等・・、
 ・機械(機械設計、機械加工、板金・・・)、
 ・機械力学、熱力学・・・等)、
を記載しましょう。自社に技術がなくても、将来的にもつべきものがあれば、その技術も記載しましょう。

横軸に、部門または個人名を記載しましょう。これでマトリックスが出来ましたね。

そのクロスする位置に、その部門・個人が、業界トップレベルに技術に精通している場合◎、業界レベルの場合〇、業界から落ちる場合△、技術のことを知らない場合×を付けてみましょう。

これを以下、技術マップと言いましょう。

技術の棚卸をして、技術マップを作製すると、あなたの会社、部門、チームの技術レベルがわかってきますね。

この記事で言及している要素技術研究は、あなたの会社にない技術をゼロから開発することですね。つまり、技術マップ上は”×”になっている技術を導入するアクションになりますね。

自社で基礎研究(要素技術研究)を行うべきものは、導入対象となる技術”×”のマトリックス近傍に、自社の得意とする技術◎、〇がある場合です。

今は、その要素技術を獲得することができてないが、あなたの会社には、それに類似した技術を持っています。そのため、導入対象となる要素技術”×”を比較的簡単に取得することが可能です。類似技術を持っていれば、開発手順や、知見のある専門家などの人脈をたどるのも比較的に楽になると思われます。

また、類似した先駆的な技術を有しているため、導入対象となる要素技術×を導入するタイミングで比較的簡単に、新しい原理等が思いつきやすくなり特許や論文などが出やすくなります。つまり、自社でこれらの知的財産を独占することができますね。

社外から技術を導入するオープンイノベーションで進めるべきもの

次に、自社にて要素技術研究するよりも、社外から技術を導入した方がいい場合について考えてみましょう。

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社外から技術を導入した方がいいのは、 導入対象となる要素技術 ×が、先に説明しました技術マップのマトリックス近傍に自社の得意とする技術◎や〇がない場合になります。つまり、導入しようと思う技術の類似技術がない場合には、社外から導入するべきです。

このような場合には、自社に、要素技術研究を行うための設備や、人的資本もない場合が多いです。そのため、大学や、研究機関等と協力してオープンイノベーション的に、技術導入する方がいいと思います。

また、 導入対象となる要素技術の出口となる製品が、自社と異なる業界の製品の場合です。例えば、電気会社が医療機器分野へ新たな医療機器をもって進出する場合を行う場合になります。

このような場合には、その業界の慣習や、法律・規制等技術以外のものも同時に導入する必要があるためです。

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マネージャ
マネージャ

自社で要素技術研究をゼロから行うか、社外から要素技術を導入するかを決定するうえで参考になればと思います。

次の議事でオープンイノベーションの立上げ情報についてお話したいと思います。

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