マネージャさん。今度、上司から昇格試験を受験するように薦められました。これから受験の準備をしたいと思ってます(辛)。
そうですか?これから研究(仕事)と、昇格試験の準備の両立が大変になりますね。
そうですね。あまりプライベートな時間が取れませんね。
ところでマネージャさん。昇格試験って試験官が評価すると思うのですが、評価のポイントってあるのでしょうか?
当然ありますね!
この記事では、試験官が昇格試験で評価するポイントについて、お話したいと思います。
試験官は職位基準書に基づいて評価をしている
昇格試験の当日、試験官は人事部門から受験者の評価シートを渡されます。評価シートは、評価項目が記載されたものです。この評価シートの評価項目は、職位基準書に基づいて定義されているものになり、受験する職位によってそのレベルが異なります。当然、課長職等の管理職の場合は、評価のレベルが最も高いですね。
この評価シートには、9個の評価項目があり、1、2、3点の評価点をつけるようになってます。
例えば、課長職試験の場合、
1点は評価基準書に基づき、課長職の職位は未達である、
2点は評価基準書に基づき、課長職の職位を満足する、
3点は評価基準書に基づき、課長職の職位を十分に満足する、
で評価され、19点以上で合格になる絶対評価です(平均2点以上で課長の職位を満足すると判断された場合ですね)。
しかし、実際には7~8名程度が受験した場合、おおよそ3名~4名が合格点になるように調整します(相対評価ですね)。これは、経営リソースにより昇格できる人数が予め定められてるからですね。
成果論文、成果論文のプレゼンテーション、課題論文、課題論文に関するグループディスカッションなどを通して点数付けが行われます。試験官が質問するのは、これらの評価項目を点数つけるためであり、あなたの業務に興味があるわけではないです。
では、これらの項目についてお話しましょう。
9個の評価項目
次に、個別にそれぞれの評価項目についてお話したいと思います。
課題設定能力
日々の業務の中で、本来あるべき姿と、現状との間で差がありますね。これが問題点です。日々、こんなものかな~、と思って仕事をしていると、なかなか問題点を抽出することが困難になります(NHKのちこちゃんに怒られるにあるように、ボーと生きていたらダメですね)。
この問題点を解決に導くために必要な行動をとるのが課題になります。この課題を設定する能力が求められます。日々、ぼーと仕事をしていると、課題設定て何?とうことになります。
成果論文を記載するときにだけ、課題設定をするのではなく、日々課題設定するようにしましょう。祖すると、成果論文が簡単に書けるようになりますね。
課題解決能力
設定された課題を解決に導いていく必要がありますね。この能力をとわれているのが課題解決能力です。
課題の本質を見極めて、目標の設定を行います。その目標達成に向けて実行計画を策定し、課題解決に向けて実行計画通り進める力が課題解決能力になります。
当然、PDCA(Plan Do Check Action)をきちんと回し、必要に応じて軌道修正なども行えるかなども問われます。
専門性
あなたが技術者である場合には、あなたの専門分野の技術力の深さや、広さについて問われます(良くT型やπ型の技術者を目指せと言われますね)。
試験官も管理職の技術者と思いますが、あなたの会社の事業規模が大きい場合には、同じ専門分野の試験官が担当するわけではありません。なので、専門外の技術者に対して専門性をアピールする必要があります。
例えば、世界(業界)初、世界(業界)最高、学会で評価された、特許で権利化した等、客観的なことが言えるといいかもしれません。(なかなか昇格試験の中で専門性の高さをアピールするのは難しいですね)
協調性
あなたがひとりでやれる仕事は、限られますね。大きな仕事(プロジェクト)を推進していくには、いろいろな人と仕事を共同で進める必要があります。
その様な中、自分と異なる立場、違う意見や考え方を持つ人たちと協力しながら、同じ目標の達成に向けて仕事を進める必要があります。協調性のある人は周囲の意見を鋭く察知できるため、利害や立場の異なる人とも協力して何かを遂行できます
洞察力
洞察力とは、「物事の本質を見抜く力」のことですね。
例えば、あるお客さんとの取引が、年々下がっていくとうような事例がありますね。年々取引が下がることだけに囚われて、本質を見抜くことができない場合があるかと思います。
お客さんの要求と異なるものを提供していたとか、他社品の方がいいものを提供されていたとか、今起きている取引が下がるとうことだけに囚われると、これらのことが見極められませんね。そこが問われますね。
表面的な話をしていると洞察力がないと思われてしまいます。なので、”これらの事例を分析して深堀すると・・・”のような表現をすることで、洞察力がありそうに見えてきます。
リーダシップ
設定された目標を実現するために、組織(組織でなくても仕事を取り巻くチームや関係者なども含まれますね)を導いていく能力ですね。リーダーシップは、組織の結束を高め、業務を効率的に進める上で欠かせないものです。
例えば、”利害関係が異なる他の部門の責任者を説得させ、自らが設定する目標に向けて他の部門の能力を発揮させて、目標達成した等、皆さんがWinWinになる関係を構築していく”とか説明するとリーダシップがありそうに見えますね。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、「対人間での情報共有や意思の疎通」をスムーズに行うことができる力のことですね。コミュニケーション能力はプレゼンの能力のように一方的に相手に伝えるだけではなく、他社からの情報も受け取る必要が問われます。その点を間違わないでほしいですね。
部下や上司に対して積極的に声がけを行い、意見交換などをとおして組織で起こっている潜在的な課題をみいたしたことや、接触的にお客さんのところに訪問し、お客さんとの情報交換の中であなたが提供できるお客さんの潜在的なニーズを見出したなど、お話できればいいのではないかと思います。
成長性
あなたが更に、今後成長する潜在能力を有しているか問われます。会社としても、今回の昇格試験が合格した後、上級の職位になるための昇格試験に合格してもらわなければなりませんね。その理由は、次の記事で記載しております。
そのため、今回受験する昇格試験よりもさらに上の職位の立場でお話お話するといいかと思います。例えば、課長職を受験するのであれば、部長として視点からお話するといいかもしれませんね。
指導力
部下を育成、指導する能力や力量のことですね。これは職位が上になるほど問われます。特に部下をもって仕事をする立場になる、課長職や主任・係長職を受験される方は、この点をPRする必要がありますね。このクラスの職位になると必須の能力になると思います。
いかがでしたでしょうか?試験官からいろいろ質問されると思いますが、これはこれらの評価シートを埋めるためのものです。なので、この質問は何をとわれているのか、よくお考えの上、回答するようにしましょうね。