私も大型プロジェクトに参画し、数年間、同じ内容の研究開発テーマに取り組めそうで、数件の査読付き論文も執筆できそうです。博士課程修了の見通しも、おおよそ立てることが出来そうです。
ただ、どこの大学院に行くべきか悩んでおります。
そうですか。
でも、大学院に行くのは研究開発のために行くのですよね。だから、大学院から決めるべきではなく、どこの研究室に入るのかとうことを先に決めるべきではないでしょうか?
なるほど。でも、どうやって指導してもらう先生を決めていけばいいのでしょうか?
この記事では、 どこの大学院の博士課程に進学するか、どの先生の指導教授の指導を受けるのか、私の経験についてお話していきたいと思います。
指導教授がいる大学院へ進学
あなたが、現在、修士課程からそのまま博士課程に進学する場合には、修士課程の指導教授からそのまま指導を受けることになりますね。
しかし、私の場合、修士課程を修了してメーカに勤務していたため、大学院の博士課程で指導を受ける先生をゼロから決めていく必要がありました。
指導教授は、博士課程入学から修了まで、研究開発(要素技術開発)の指導、新しい研究テーマを探索する方法など、企業では学べないことを教授してもらう方になります。よって、指導教授により、博士課程の研究生活の良し悪しがすべて決まります。
私の場合には、進学する大学院を決めて博士課程を行ったのではなく、指導を受ける指導教授がいる大学院に進学しました。それぐらい、指導教授を決めることは大切なことだと思います。
初めての転職は転職ナビ私の指導教授の決め方
指導教授を決める前に、私は、製品開発プロジェクトで担当した製品の要素技術(センサ技術)で、著名な先生を論文検索し、論文を集めることから始めました。
私の勤務先には図書館がありました。この図書館には学術論文や、論文検索のシステムなどがあり、数日で海外の論文も取り寄せることができる環境がありました。
当時(20年以上前)、今のようなインターネット環境も充実してはなかったので非常に助かりました。今ではインターネットで集めれば短期間に集められると思います。
そんな中、多数の論文で担当していたセンサ技術と類似した研究をされている先生に注目しました。しかし、学会等でもお会いしたこともない先生でしたので、どうしたものかと悩んでおりました。その時に、私の修士課程で指導を受けた指導教授に相談しました。
修士課程で私の指導をしてもらった指導教授は、私が希望する先生のことをご存じで、さっそく連絡を取っていただきました。
たまたま、大学院修士課程で行っていた研究と、就職したメーカでの業務が非常に近かったことが幸いし、簡単に希望している先生にお会いできる機会ができました。
初めてお会いした時に、非常に気さくで、お話好きな先生でした。
そこで、博士課程進学希望の意思を伝え、研究計画書、修了時に記載する博士論文の目次(イメージだけ)を説明しました。先生からは、先生からは入学に向けた協力をしていただけることになり、研究計画書を準備するようにさっそく指導を受けることになりました。
キャリアデザインなら【ニューキャリア】一般的な指導教官の決め方
私の上司や先輩を含めて社会人で博士課程に進学されて方は、長年その大学と共同研究を行い、何件か共同研究先の先生と論文を執筆していることが多いです。そんな時に、XXさんも博士号をとりませんか?と大学の先生からお誘いがあることがあり、そのお誘いにのって学位を取られる方が多いようです。
私のように入社して3年目ぐらいで博士課程へ進学するの稀なようで、皆さんの参考になったか、心配ですね。
研究計画書の準備
研究計画書は、研究の背景と目的、その研究による社会的な成果などと、技術的な課題とその課題に対する施策についてまとめました。これは、会社で次年度(翌年度)の研究開発予算を取得するときに準備するようなものをまとめなおしたものでした。
会社にとっては売上、利益を上げて株主への還元を最大の目的としおりますが、大学の指導教官にとっては、論文、研究開発した技術がどのように社会貢献(名誉)するか、最大の目的です。
ハイクラス人材紹介サービス【コトラ】研究計画書の内容も、会社の次年度の研究開発費予算化のための資料を流用し、大学の先生にとって聞きやすいようにまとめなおすことで、作成することができます。資料のリサイクル化ですね。
指導教授も見つかりましたね。
では次の記事では、修士課程から博士課程に進学する場合、社会人からは博士課程に進学する場合のメリット・デメリットについてお話居たいと思います。