マネージャさん。家庭の事情もあって、博士進学をあきらめることにしました。修士課程で就職します。
博士課程進学をあきらめたのですか。。。でも、会社に入ってからも進学の機会はあるものですよ。
会社に入っても博士課程の進学もできるのですか?
そうですね。就職した会社やその会社の部門にもよりますが、会社負担で社会人大学院に進学することもできますよ。私も修士課程で就職した後、会社負担で会社に在籍したまま社会人大学院として大学院に進学しました。
この記事では、私が修士課程で博士課程の進学をあきらめた後、社会人大学院として進学した経験についてお話したいと思います。
この記事では、私が修士課程から博士課程進学をあきらめた理由と、社会人になってから博士課程を目指した経験談についてお話したいと思います。
あなたが、いろいろな理由で修士課程や、博士課程への進学をあきらめても、その後に、いろいろなルートがあります。
あなたの今後の進学計画の助けになればと思います。
初めての転職は転職ナビ高専への進学と高専の先生との出会い
最初に、私の技術者としての生い立ちについてお話したいと思います。
私は、中学を卒業後、親元から離れたくて、自宅から300キロ以上離れた地方の国立高専に進学しました。高専は、普通高校と大学工学部を足して2で割ったようなところです。つまり、中学卒業後から技術者の卵として動き始めました。
中学卒業したばかりの中学生の雰囲気を残した子供と、車やお酒なども法律的に認められる大学2年生の大人が同じ学校で勉強する不思議な雰囲気を持つ環境です。
そのため、高専の先生は、大学教授の要素と、高校教員の要素を持つ必要がある存在でした。
当時(30年以上前)は、よく言えば“ゆるい”環境でした。高専の1~2年生の時に飲酒やたばこが見つかると、こっぴどく先生から叱られましたが、4年生(大学1年生)ぐらいになると、大学院を卒業したばかりの若手の先生の官舎にお酒を持ち込んで、よくお酒や飲んだものでした。
お世話になった若手先生は、高専から大学、大学院へと進学された方が多く、先生というよりも先輩・兄貴とう感じの先生でした。
そんな環境で5年間生活したこともあり、私は高専の先生の仕事に興味を持ち、高専卒業後、高専の先生を目指して大学、大学院へと進学しました。当時は高専の先生になるには修士号を持っていれば採用されました。おいおい、准教授や教授に昇進されるタイミングで博士号を取られる先生が多くおられました。
しかし、私が大学(学部)を卒業する時には、高専に専攻科が設置された時期でした。専攻科を持つ高専の先生になるためには博士号が必要な時期になりかけていました。
そのため、大学院修士課程に進学したころから博士課程へ進学しなくてはならないなとう意識になってきました。
キャリアデザインなら【ニューキャリア】大学院修士課程1年時の父親がガンで死。博士課程進学を挫折!
私が大学院修士課程の1年生の5月頃(ゴールデンウイーク頃)に母方の祖母が亡くなり、実家に帰省する機会がありました。
その時に自営業(制御盤の製造技術者)を営んでいた父と話をする機会がありました。父は、なんか最近、酒が飲めない、体調が悪いとうことを言っていました。父には、早めに病院に行ってみてもらえばとう話をしましたが、病院に付き添うこともなく、私はそのまま大学院に戻りました。
しかし、大学院1年生の夏休み前に母から連絡があり、“父が入院した。もう、末期の肝臓がんでもう数か月しか持たない”、とう話がありました。
私は、父と夏休みの間に、高専の先生を目指すので博士課程への進学したいことを相談するつもりでした。しかし、父の寿命が数か月しかないこともあり、博士課程への進学はあきらめ、修士課程を修了した時点でメーカ就職することを決めました。
父は8月下旬に亡くなり、修士課程が修了したら就職する道しか残ってませんでした。
父が亡くなったことで授業料が全額免除、金利がかからない奨学金もらい無事、なんとか修士課程を修了し、上場のメーカに就職することができました。
社会人博士課程進学の道!
私が就職したメーカの配属先は、要素技術の研究開発から要素技術を応用した新製品の製品開発を行っている部署でした。配属先は、大学や国立研究機関とも共同研究を実施している部門でもあり、研究開発した要素技術を論文にまとめ、学会発表や査読付き論文などを執筆することも1つの業務として認められてました。
そのため、多くの技術者・研究者の方が、社会人博士課程や論文博士(最近はあまりないと思います)を取得される方が多くおられました。また、博士号取得後には、大学や高専の先生として戻る方も多くおられました。
私は、このメーカに就職した段階では、大学や高専の先生として戻ることはないかなと思っていました。
しかし、配属された職場の上司や先輩たちが、社会人として博士課程へ進学されておられるのを見て、私も博士課程大学院へ進学したいとう気持ちが湧いてきました。
ただ、この時に、私は高専の先生に戻りたいとう気持ちはありませんでした。ただ、研究者として最低限、学位は身につけておかなければならない肩書であると思いました。
特に国際会議などに行った時には、学位を持っているかどうかは評価に値します(日本では、ほとんど価値はありません)。
社会人博士課程進学へ行こう!
皆さんも博士課程への進学の動機は、いろいろあると思います。
しかし、大学院へ進学するには、お金、時間、家族(環境)など課題はたくさんあると思います。私も多くの課題があり、一時はあきらめました。
しかし、多くの皆さんに助けられながら、一つ一つクリアすることで何とか、博士号をいただくことができました。
私の経験談を通して、社会人から博士課程を目指す皆さんの一助になれば幸いです。
次の記事で、博士号取得のための必要要件についてお話したいと思います。